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Saturday, December 22, 2007

Christmas 2007

今年もクリスマスの季節・・・ということは、年の瀬となったわけです。


今から十年ほど前は、「忙しい、忙しい」と言いながらも、友人たちと集まってはロースト・ターキーを囲んでクリスマスを祝い、イヴの7時のサーヴィスには出かけてクリスマス・キャロルを歌っていたものです。今年も「あー、クリスマス・ツリー」と、11月最後の週末からアタマの中にはあったものの、実際にツリーを飾ることができたのは直前になってから。出せただけでもありがたいと思わねばなりませんが、日常生活を送りながら、普通にクリスマスを祝うことがこれほど大変なことになるとは思っても見ませんでした。E-mailのおかげで、海外の友人たちにはぎりぎりセーフでイヴの前にメッセージを送ることができていますが、こんなに大騒ぎをしながらクリスマス・カードを製造したり、例年、みなさんが楽しみにして下さっているズッキーニ・ブレッドを焼いたりしなければならないのは、かなり情けないことです。とはいえクリスマスはやはり特別なもの。少しでも落ち着いた時間を過ごしたいと思います。みなさまも、どうぞ良いクリスマスをお迎え下さい。

Saturday, October 13, 2007

世も末か・・・?

私がかつて書いた『美術館の誕生』や『美術館で愛を語る』が大学、大学院、あるいは、予備校の模試の国語や論文問題で使われる事例が増えてきています。私が高校生の頃の論文問題の定番といえば、小林秀雄、亀井勝一郎、あるいは、会田雄次といった、二十世紀を代表する知識人が書いた文章と決まっており、私が高校生の頃、彼らはすでに亡くなっていたのでした。それが、私が若い時分に書いた本の一部が入試問題に使われているという現状は、青天の霹靂というべきか、世も末と言ったら良いのか、表現に困るわけですが、いったいこんなことで日本の国語は大丈夫なのだろうかと思ってしまいます。おそらく、出題者が困るほどに、入試問題として適切な「論説文」の事例が少ないということなのでしょう。

中学や高校の頃、たしかに小林秀雄や谷崎潤一郎が書いた日本的美意識に溢れるエッセイは憧れであり、その頃、私は文筆家になろうと決心して、高校を卒業するまでに取れるものなら、芥川賞を目ざそうと考えたこともありました。純文学など、子供にならさほど苦労もなく書くことができるからです。とはいえ、純文学を書くなら、七十歳の老人になって、その時に十代の子供と同じ感性で小説を書くことができれば価値があるかも知れませんが、誰でも一冊ぐらいの恋愛小説を書ける十代で芥川賞を取っても何の意味があるだろうかと考えた私は、高校を卒業する頃にはアメリカへ行こうと決心し、その後の約十年間、ほとんど日本語の本を読む機会はありませんでした。そして、いよいよ「このままだと日本語がおかしくなる」という危機感を持った頃に日本に戻って来たわけです。なので、私の日本語の質は、アメリカへ行く前と後では大きく変わってしまっており、アメリカ後の私の表現からは、十代の頃のような叙情的な美意識はすっかり失われてしまいました。二十代の後半になり、中学、高校の頃に書き溜めたいろいろなものを引っぱり出して見た時には、まるで知らない人物の文章を読んでいるような、とても奇妙な気分になったものです。

この話は、また、別の機会にさらに続けたいと思いますが・・・いずれにしても、自分の書いたものが試験問題として使われているという実感は、ある意味、感慨深いものでもありますが、基本的には「なんとしたことか!」という思いで、ひたすら狼狽し、こんなことで良いのだろうかという迷いに苛まれる体験なのでした。

Friday, October 12, 2007

帰って来た理由 そのII

出版を取り巻く環境が十年前とは激変し、文章を書くという行為の持つ意味そのものも随分と違ってしまいました。また、ウェブ・ベースのテクノロジーの進化が著しいため、十年前には思いも及びませんでしたが、私自身がウェブにかかわる様々な仕事をするようになってしまいました。巷に流通する情報量は某大になり、その一方で、「オフィシャル」な情報と個人の情報との境界が曖昧となっています。

そんな折り、十年前に初めてThe Tsurukame Expressをスタートした時のデータを久々に目にし、「あ〜、最近、だらしなかったかも」と、ちょっと反省することになりました。

http://www.tsurukame.com/welcome/welcome9606.html

そして、すっかり忘れていたものの『ツルカメ!』の目次から「抜粋」をウェブに上げていたことを思い出し、改めて内容をブラウズして、十年たっても問題の本質が何も変わっていないこと・・・を身にしみて認識したわけです。

http://www.tsurukame.com/welcome/tkbook/mokuji.html#top

そして思ったわけです・・・もっと怒らないといけないと。

そういえば最近、大学にどっぷり浸かって仕事をしてはいなかったか。物事をちゃんと自分の目で見ていなかったんじゃないか。モノを考える時間がぜんぜん足りてないんじゃないか。そんなことを考えて京浜東北線の車窓から見た横浜MM21地区の夜景は、久々に鮮やかに、心にしみて見えたのでした。

Thursday, October 11, 2007

帰って来た理由 そのI

出版を取り巻く環境も激変しており、驚いたことに、この十年の間には長い歴史を持つ経済誌の老舗、月刊『実業の日本』が休刊してしまいました。三大紙を中心とした新聞を含め、紙媒体の出版物は日に日にその影響力を弱めているように見えます。
柴田亜美さんが描いて下さった傑作表紙イラスト「鶴・亀とその他の動物」

私は未だに紙媒体での出版を大事に思っておりますが、私のかつての書籍のすべてが、古書となってAmazonで大量に取引されているのを見るのは複雑な思いです。デビュー作『美術館は眠らない』は、単行本、文庫を併せると5万部を売り上げましたが、最近では新刊が出て3ヶ月もしないうちから読んでしまった読者がAmazonやブック・オフに本を出して来るわけで、物書きだけで商売をしていくのは困難な時代になっていると思います。

Wednesday, October 10, 2007

Tsurukame Express Returns

何度も復活しかけながら、なかなか本格的に復活を果たすことができずにいたThe Tsurukame Expressですが、ようやく復活すべき環境が整い、本日、なんとかデザインを決めることができました。これからはさぼらずに、今までの空白の時間を埋めるべく努力して参りたいと思っております。奇しくも「憂国の書」と銘打った『ツルカメ!』(実業之日本社)の出版から十年以上が経ってしまいましたが、祖国日本を取り巻く環境は十年前と比べても決して安心できる状態にはなっていないように思います。それどころか、むしろ、より不安な要因が増えているのではないでしょうか。